【24】安房の現状とこれから リハビリテーション

日時:2012年9月25日 19時~21時

会場:医療法人社団 松永醫院

幹事:松永平太

テーマ:安房の現状とこれから リハビリテーション

内容:
医療全般とリハビリテーション(松永平太30分)
食事も風呂もつかない短時間デイケア(嶌田PT10分)
主体性復活デイサービス(小山幸蔵10分)
学習療法という認知症リハ(石川PT10分)
リハ病院・回復期リハ病棟とリハビリテーション(井合茂夫30分)

★要約
・安房のいのちの安全、安心は日本一、地球一
・適切な時期に、時間をかけて、良質なリハビリテーションを行えば元気になる
・介護保険側のリハビリテーションのボトムアップが必要(それが私のミッション)

風呂も御飯もつかない、リハビリテーションに特化する短時間デイケア
主体性の復活へ(「何しようかなぁ」で始まる生きることへの復活)
見捨てられつつある認知症リハビリテーション、学習療法の紹介

★ 日本の医療は世界一。
日本は、G7先進国内で65歳以上の高齢化率が最高であるが医療費対GDP比は最低です。ご存じの通り、日本は世界一の長寿国であり、高齢者が多い国です。しかも、高齢者の医療費は若年者の医療費の5倍以上かかります。つまり、高齢社会ほど医療費が高騰して当たり前なのです。しかし、超高齢社会である日本が、国が儲けた金をどれだけ医療に費やすかというところで他の若い先進国を差し置いて最も金をかけていない国となっています。日本は、世界一医療効率性が高い国です。これは奇跡です。しかも、お金が無い人でも質の高い医療を受けることができる、いのちの平等性が高い医療を提供しています。困った時はいつでも、どこにでも受診できる医療のかかりやすさも担保されています。

★ 安房の医療は日本一、宇宙一。
都会では駅前のビル診療所に1時間通勤し、夕方6時になると鍵をかけて閉院となります。つまり、夜になると無医村になります。救急車も診ようと思えば診れるけど、万全ではないし、他に病院もたくさんあるので断ろう・・・と全ての病院が断ります。それに比べて安房地域は、診療所と医師の住むところがほぼ一緒、夜の夜中でも呼ばれます。そして、亀田をはじめ病院の医師が、最後の砦という気概で医療を守ってくれています。都会より安房地域の方がいのちの安全、安心は上なのです。しかも、人口当たりの医師の数は日本一多く、人口当たりの在宅看取り率もダントツに高いです。コミュニティーが生きており、医療と福祉・介護との連携、医療と行政との連携がうまくいっているからです。

★ リハビリテーション
長島さんが重度の脳卒中になるも最高レベルのリハビリテーションを自費を含め受け、奇跡の復活を見せてくれました。安房地域は、亀田リハビリテーション病院のおかげで重度の片麻痺の患者様でも装具を付けて歩行可能となり、介護保険上要支援2になる地域です。
つまり、お金があっても無くても、医療保険の中で適切なリハビリテーションを行えば元気になるのです。また、一般病院に入院してリハビリテーションをしましょうと言われて、元気になった患者様を見たことが無いです。適切な場所と費やす時間が必要なのです。
★ 介護保険側のリハビリテーション
医療保険側でセラピストとの1対1の濃厚なリハビリテーションを行い、介護保険へバトンタッチします。しかし、デイサービスとデイケアの差が良く見えません。せっかく歩けるようになっても「勝手に立ち上がらないで!」「チョッと待ってて!」と言われ、座らされ、歩けなくなってしまう現実があります。介護保険側のリハビリテーションのボトムアップが必要です。

★さいごに
世界最長寿で経済大国である日本、世界は日本国のようになりたいと切に願い、日本人は「こんな日本なんて」と言っています。平和な日本、私達はもっと日本をかみしめたほうが良いと思います。私達の仕事は、医療、介護、福祉を通じて社会貢献をすることです。そのためには、今の安房地域の現状を知り、自尊心を持って頂きたいです。その上で、より高き方を目指して、多職種共同を図って行きたいです。

(以下、追加資料)

松永通所リハ 要約

デイサービスセンターあそぼの特徴を生かした主体性復活ケアについて

学習療法について

参加者数(職種別)、参加施設数:

(※2012/12/14  亀田リハビリテーション病院長 井合医師の資料を追加しました)